睡眠時無呼吸症候群とEDの関係

いびきと日中の眠気、その陰にEDリスク

睡眠時無呼吸症候群（SAS）は、睡眠中に呼吸が断続的に止まる病気です。酸素が不足し、夜間に何度も覚醒するため、翌日の強い眠気・集中力低下・頭痛などを招きます。実はこの状態は勃起機能にも直結します。陰茎の血管は細く、循環の乱れや神経・ホルモンの失調の影響を受けやすいからです。

なぜ無呼吸でEDが起こるのか（医学的メカニズム）

▶低酸素（間欠的低酸素）による血管内皮障害
無呼吸で体内の酸素が周期的に低下すると、活性酸素が増加し、血管内皮が傷つきます。血管を拡張させる一酸化窒素（NO）の産生が落ち、陰茎海綿体に血液が流れ込みにくくなります。

▶交感神経の過緊張
無呼吸の度に体は“窒息ストレス”へ反射的に反応し、交感神経が優位になります。末梢血管が収縮し、勃起の立ち上がり・維持が阻害されます。

▶ホルモンの乱れ（テストステロン低下）
深い睡眠（ノンレム睡眠第3段階）が削られると、夜間のテストステロン分泌ピークが阻害されます。性欲低下と勃起能低下の両方が起きやすくなります。

▶関連する生活習慣病の併発
睡眠時無呼吸症候群は肥満・糖尿病・高血圧・脂質異常症と重なりやすく、動脈硬化が進行しEDが悪化します.

こんなサインがあれば要注意

• いびきが大きく、家族から「息が止まっている」と指摘される
• 朝、口が渇く／頭痛がする／熟睡感がない
• 日中に強い眠気、居眠り運転の経験がある
• 夜間の頻尿が増えた（寝ている間の覚醒が多い）
• 高血圧や糖尿病のコントロールが悪い、肥満がある

EDが先に気になり、詳しく調べたら睡眠時無呼吸症候群が見つかるケースも珍しくありません。性機能の不調は全身のサインでもあります。

検査と治療（睡眠検査とCPAP／マウスピース）

疑いがある場合は、循環器内科や睡眠外来を紹介します。
ご自宅で装着できる簡易睡眠検査（終夜パルスオキシメトリ、携帯型ポリソムノグラフィー）で評価します。重症度に応じて、

• CPAP療法（持続陽圧呼吸療法）：睡眠中に気道を広げ、低酸素と覚醒反応を抑えます。EDの自覚症状が改善する例も報告されています。
• スリープスプリント（口腔内装置）：下顎を前方に保持し、気道狭窄を軽減します。
• 減量・禁煙・節酒・鼻閉治療：上気道抵抗を下げ、睡眠の質を底上げします。

これらで夜間低酸素と交感神経過緊張が改善すると、PDE5阻害薬（シルデナフィル／バルデナフィル／タダラフィル）の効き方も安定しやすくなります。

ED治療薬は使える？注意点は？

睡眠時無呼吸症候群があっても、多くの方でED治療薬（PDE5阻害薬）は使用可能です。

ただし、

• 硝酸薬（ニトログリセリン等）との併用は禁忌：重い低血圧の危険。
• 重い心肺疾患や未治療の重症SASで昼間の眠気が強い場合は、まず睡眠治療を優先。
• CPAPを継続できているか、基礎疾患（高血圧・糖尿病・脂質異常症）の管理状況を一緒に確認します。

薬は“ブースター”。土台となる睡眠と血管の健康を整えることが、最短の改善ルートです。

人に会わずに始められる：初診からオンライン→薬はご自宅へ

「他の患者様に顔を合わせずにED治療薬を手に入れたい方」へ。
当院は初診からオンライン電話診療に対応しています。
スマホで医師と相談後、処方薬はご自宅で受け取れる体制です。プライバシーに配慮し、忙しい方や遠方の方でも治療を始めやすくしています。

今日からできるセルフケア（SAS＋ED対策）

• 体重の5〜10％減量：上気道の脂肪沈着を減らし、無呼吸を軽減。
• 横向き寝／飲酒は就寝3時間前まで：気道虚脱の予防。
• 鼻閉の治療：花粉症・副鼻腔炎のコントロール。
• 規則正しい睡眠：就寝・起床時間を一定に。
• 禁煙：上気道炎症と内皮機能障害を改善。

よくある質問

Q1. ED治療の平均費用はいくらですか？
A. 自費診療が基本で、費用は薬の種類・用量・処方数で変わります。【やすだ泌尿器科クリニック】ではED治療の初診・再診費用は不要で、ED治療薬も1錠からお求めいただけます。オンライン診療ではご自宅でED治療薬を受け取れますが、10,000円以下の場合送料800円が別途必要となります。

Q2. ED治療薬は何が一番効くの？
A. 体質や生活、併存症で最適解は異なります。

・シルデナフィル：実績豊富／食事の影響を受けやすい。
・バルデナフィル：立ち上がりが速め。
・タダラフィル：持続が長い（〜36時間）ため予定を組みやすい。
「一番」ではなく、あなたに合う薬と用量を一緒に選ぶのが近道です。

Q3. EDの治療はどこに行けばいいですか？
A. まずは泌尿器科へ。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は循環器内科／睡眠外来とも連携し、睡眠検査やCPAP導入を検討します。EDと睡眠の両面から整えると、治療効果が高まります。

Q4. EDの治療は何科にかかればいいですか？
A. 基本は泌尿器科です。併せて、肥満・高血圧・糖尿病・いびきが強い方は糖尿病内科・循環器内科・睡眠外来の評価も推奨します。

一人で悩まず、まずはご相談ください。睡眠と血管、両方から整えて、無理なくED改善を目指しましょう。